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食事の介護

高齢者の健康を維持するうえで、重要になってくるのが食事です。要介護の状態によって食事の内容や介護の必要性はかなり異なるので、その時に応じて介護を行う必要があります。まず食事の内容としては、栄養のバランスをきちんととること。年をとるとどうしてもおかずを減らしたりしがちですが、エネルギー源になると同時に体を作るために必要とされるたんぱく質は、若いころと同じように食べなければなりません。肉や魚、卵、大豆などのたんぱく質が豊富な食品を、毎回取り入れていくように注意しましょう。その他、カルシウムや各種ビタミンなども欠かすことの出来ない栄養素です。少しずつでもよいので、品数を豊富にして楽しみながら食べられるようにするといいですね。味覚も衰えることによって、味が薄く感じやすくなるようになり、濃いめの食事を欲しがることがありますが、あまり濃いものを食べる習慣が付いてしまうと血圧上昇などの影響が現れることもあります。できれば薄味の食事で満足できるように、レモンや大葉など、アクセントになるものを使用するなどの工夫が必要です。お年寄りの場合は歯が丈夫でないので、同じものでも少々柔らか目にするほうが食べやすくなります。自分で食べるのが難しい場合にはスプーンなどで口に運んで食事を手伝いますが、最近は高齢者向けに握りやすいスプーンや持ちやすい箸なども開発されているので、そういったものを利用しながらでも、できるだけ自分で食べられるように工夫していきましょう。自分で食べ物を口に運んで食べる、という行為自体がリハビリにつながります。もちろん無理な場合は介助を行いますが、誤嚥などを防ぐためにも、一口食べたら飲み込んだことを必ず確認してから次の一口を運ぶようにします。あまり詰め込みすぎると危険なので、ゆっくりしたペースで食べるように気を付けましょう。
介護が必要なお年寄りは、なかなか外出もままならないことも多く、どうしても退屈したりストレスがたまったりしがちです。食事が唯一の楽しみだというお年寄りも少なくありません。食事の内容に気を配り、楽しい食事にすることで、高齢者のストレス解消にはかなり役立ちます。普段食が細い人でも、楽しく食べることで食欲が増してさらに元気に過ごすことができるものです。食事の介護は難しいのですが、大切なことなので覚えておくようにしましょう。

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