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救急車は呼ぶべきか

高齢者が倒れたり、怪我や急病などになると、救急車を呼ばなければなりません。しかし、最近では安易に救急車を呼んでタクシー代わりに使うような人が増えているという報道がなされるなど、救急車を呼んでいいものかという判断が難しいと思う人もいるでしょう。特に介護をしているような高齢者の場合には、普段の様子との違いが分かりにくいこともあって、どの段階で救急車を呼ぶべきかわかりにくいものですし、高齢者の中には近所に遠慮して救急車を呼ぶことを嫌がる人もいます。しかし、高齢者だからこそ普段と明らかに様子が違うときには命に関わることもあります。どんな時に救急車を呼ぶのかという明確な判断基準はありませんが、突然の原因不明の激痛や、ろれつが急に回らなくなるなど、これはいつもと違うと感じたら救急車を呼んだほうがいいかもしれません。いつも介護をしている人だからこそわかる違いかもしれませんが、それで一命が助かったケースも少なくないのです。
実際に救急に電話をすると、「火事ですか、救急ですか?」という質問にはじまって、患者の容体や住所などさまざまなことを聞かれます。救急車を呼ぶような緊急事態になると、どうしてもパニックになって早く伝えなくてはと思いがちですが、ここは落ち着いて質問に一つ一つ答えていきましょう。救急車を呼ぶ前に、意識や脈拍の有無や、呼吸の状態、出血があるかどうかなどを確認しておくことも大切です。状況によっては、救急車が到着するまでの応急処置を指示されることもありますので、しっかり聞いておきましょう。実際には焦ってしまって何もできなかったという人もいますし、その気持ちはわかりますが、その数分間の対応が命運を分けることもあるのです。サイレンが聞こえたら、外に出て救急車を誘導、付き添って病院に向かうときには戸締りなども忘れないようにします。保険証やお金、外出中の家族がいる場合には、連絡が取れるように携帯電話なども忘れずに。救急車を呼ぶというのは、誰にとっても滅多にあることではありませんので、なかなか落ち着いて行動することは難しいものです。パニックにならないように、言うべきことや言われたことをメモに取るなどするといいですよ。

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