トップページ > 介護に対する心構え

介護に対する心構え

介護が実際に必要になる前に、ある程度心構えや知識を持っておくことでスムーズに介護生活に入ることができます。介護を受ける人は体の自由がきかないわけですから、精神的にも肉体的にもたいへん辛い状態にあるといえます。しかし、介護する側の人もかなり大変で、体力的にはもちろん、精神的な負担に悩まされることも少なくありません。特に、介護する人とされる人が同居していて、二人きりで生活している場合などは、体の不自由な要介護者から依存を受ける場合もあるため、自分の時間をほとんど取ることができずに毎日介護だけを行い外出もままならなくなることもあります。また、現在のデータでは、要介護になってから介護が終わるまでの平均は10年を超えています。この先何年続くかわからない介護生活を辛いと考える人もいるでしょう。育児の場合には数年で必ず子どもが大きくなって手を離れることがわかっていますが、介護の場合には基本的には症状は進行する一方なので希望を持つのみ難しい状態になります。こうして一人で介護の負担を抱え込んでしまうことが、現在の介護の問題点でもあるのです。
実際には、たとえ一人っ子であっても一人きりで介護をする必要はありません。現在は介護保険などの制度があるため、介護を手伝ってくれる専門家の力を借りることが可能です。ヘルパーさんにお世話を頼むこともできますし、入浴介護を受けることもできます。お年寄りによっては、他人に世話をかけるのを嫌がる人もいますし、どこまで頼ってよいのかわからず躊躇してしまう場合もありますが、まずは介護している人の負担を減らすのが先決。どこからどこまでを専門家にお願いするかを、専門知識を持ったケアマネージャーと相談しならが介護プランを策定することになります。もちろん、できるだけ自分の力で頑張るのはよいことですが、無理せず人に頼ることも大切です。負担が大きいまま介護をしていると、どうしても介護しているお年寄りにイライラしたり厳しく接してしまったりして、お互いに幸せとは言えない状況になります。できるときには心をこめて介護をおこない、誰かに助けてもらえるところは助けてもらってきちんと自分の時間もある程度確保することが、介護を続けていくためには必要になってくるのです。また、遠方などで直接介護ができない場合にも、介護をしてくれている人の話を電話で聞くなど、ある程度介護を行っている人のサポートはできるはずですので、できるだけ協力する姿勢を表すことが大切です。

介護に関する基礎知識Topに戻る